]
歌舞伎座は、熱い。当代きっての花形が競演。
夜の部は、猿之助がメイン、昼の部は海老蔵が、長丁場の主薬を演じている。
中でも、荒川の佐吉、は圧巻。
猿之助は、何をやっても上手いけれど、この役は初めてながらも、はまり役だ。
仁左衛門が何度もこの役を演じているところを見ると、好きな役なんだと思う。
人間の生き方として、胸のすくさわやかさと、深き情愛が流れている。
夜の部で、海老蔵は、景清の演出を新たにして、披露している。
團十郎が乗り移ったかに思われる、荒事の豪快な演技。團十郎が亡くなってからの上演だというから、海老蔵は、父親が演じるとしたらということを念頭に置いて、役作りをしているのだろう。
観客は、投票中の愛妻の病気克服をも願って、縁起物の舞台に、大きな拍手を送っていた。