劇場空間

元気だして行きまっしょ。 機械も長く使っていると、動きが鈍くなります。油をさして、動きを良くしてあげないと。オリーブのように、豊かな実を育てられるブログにしたいです。

12月大歌舞伎に玉三郎を観に

飛行機の欠便が心配されましたが、関西から東京へは問題なく、少し遅れて、揺れた程度で、羽田に着きました。

 歌舞伎座での12月公演は、玉三郎が出ているので、とても楽しみにしていたのですが、

3階の花道が見えない、側の席での、夜の部。海老蔵の「雷神不動北山桜」の通しなので、

この席で良いかな、と思って安い6000円の席を買ったのです。

昼の部は、玉三郎が、二幕出演するので、18000円の席を買ったのですが。

 舞台から声が上がるので、聞こえにくいかと思って、イヤフォーンを借りたのですが、

問題なく良く聞こえて、歌舞伎座の杮落しで一階席から全く聞こえなかったことへの心配は無用。舞台からの距離も遠くないので、顔も割合良く見えて、オペラグラスもあるので、

 問題なかったのですが、芝居自体が、もう一つで、感動するほどのものではありませんでした。

高いので、身を乗り出すと怖いというのも、お芝居に集中できないこともあったのかもしれませんが。

歌舞伎十八番の「毛抜き」「鳴神」は、何度も見ているので良く知っているのですが、

玉三郎の雲の絶え間姫よりも、以前にみた、七之助のそれのほうが、良かったように思いました。3階の横からなので、花道が見えず、声だけとか、顔も上からしか見えなかったからかもしれませんが。

 ホテルは、歌舞伎座の近くにある、ヴィアインなので、ワインとサラダを買ってすぐにホテルに。風邪気味なので、ワインを飲んで、薬を飲んで、早く寝るようにして、翌日に備えました。

 昼の部は、14列目なので、楽しみにしていました。

何が一番だめかというと、舞台が広すぎて、観客席が遠すぎることです。

 歌舞伎小屋という感じはしません。

南座は、最高の小屋なので、舞台と観客が一緒になって、お芝居を作っている感じがするのですが、東京の歌舞伎座は、大舞台なので、立ち回りや、動きの大胆な荒事には向いているのかもしれませんが、関西の松竹座くらいの大きさで十分ではないかしら。

春秋座の舞台も、猿之助が理想の劇場として作ったもので、割合に小さい舞台で、観客席はどこからも舞台が見えるように、段差があって、とても良い造りです。

 東京では、「明治座」もそれほど大きくなくて良かった。

 昼の部の「幻武蔵」は、玉三郎の演出で、期待していたのですが、これももう一つでした。

後ろの席から聞こえて来た声は

「ああ、だめ。だめだわ。獅童が下手。獅童の演技悪い。」

というのですが、それだけではないと思いました。

獅童は風邪を引いているようで、声が鼻声になっていて、昨夜のような、張りがなく、伸び伸びした演技が出来ていなかった。演出もあまり良くなかった。

最期の舞台は、玉三郎と海老蔵の「二人椀久」という舞踊なので、これを一番の楽しみにしていたのですが、海老蔵の踊りが旨くない。形だけ作ろうとしているのが見え見えで、固くて、玉三郎とあっていない。顔に表情では踊れないのです。

まあ、南座で、昼夜ともに、素晴らしい踊りを見ていたので、見劣りしたのも仕方ないのですが、踊りの舞台としても、二人の舞ですから、広いのは不利。

勘三郎が、この劇場が新しくなるのを楽しみにしていたのですが、以前の舞台は、私は知らないので、なんとも言えませんが、勘九郎と七之助が、大阪の舞台が好きだ、というのもごもっとも。

南座は、歌舞伎役者が好む小屋。

関西が関東に誇って良い舞台です。

演ずる役者と観客の呼吸があって、熱気の感じられるのも、関西の舞台。

東京まで行って、お金も沢山使って、こんなお芝居を観るために。

愛之助が頑張っていたくらい。仁左衛門から、手とり足とりおしえてもらった≪義賢最期」

そっくりの演技でした。この芝居は、浅草公会堂で、1月にも観たのですが。