玉三郎さんのトークショウ、前回と違って、沢山の人が、劇場をぐるりと取り囲むように、列んで待っていました。
待っていながら、隣の人と話をしましたら、私が行きたいと思いつつあきらめている、
東京の新橋演舞場でやっている、亀治郎さんの襲名披露公演の舞台と、コクーン歌舞伎のチケットも買っているという人で、今日は、玉三郎の舞台を観たあとだとか。
四国から、来ている人だった。
フアンはすごいな。
玉三郎作
やっと私達の番が来て、南座に入ると、後ろの方まで座って入る。
私はとにかく前の方に開いている所はないかと観ながら、端の方に、4番目の席を確保。
端の方は空いていた。
トイレから戻ると、もう一杯で、桟敷も、二階にも。
今日は、玉三郎さん、一人のトーク。
カーテンがあがると、今日は、着物に袴姿で。
薄色の淡いグレーとブルーがかかったような、爽やかな色合いで、とても似合っている。
やはり、洋服よりも、着物姿の方が似合うなあ。
シャワーを浴びて、顔がさっぱりした様子で、とても自然な美しさ。
立ち姿で、観客に語りかける。真剣に、時には、笑った顔がすごく素敵。
本当に、話が上手で、ぐんぐん惹きつける。
隈取り
阿古屋、にまつわる、六波羅密寺との縁だとか、「阿古屋」を玉三郎が、6代目の歌右ヱ門から、受け継いだ経緯とか、「阿古屋」を演じることがすごく難しく、ハイグレードになっているので、次に継げる人が見つからないとか、
阿子屋の衣装が、舞台に出ていて、その衣装の話。三味線、お琴、胡弓の、使い方や、お琴の作り方、三味線の譜面が貼り付けてある所など、裏の詳しい話は聞けて、
オペラグラスで、その造りの細やかな所まで、みることが出来ました。
あらかじめ、配られた質問用の紙を出した人達への、解答を丁寧に、ユーモラスに語ってくださって、あっというまの1時間。終わって欲しくなくて、時計を観ていたら、ジャスト1時間くらいだった。
舞台の前に、立っているので、とても良く観られたのに、オペラグラスで、表情の皺やしみ、髪の毛の動きまで、魅せていただいた。
玉三郎さんは、10時から4時まで、毎日稽古で、その後、国立劇場に飛んでいくという生活、その合間に、映画が観たくて、時折、お稽古をサボらせてもらって、映画を観ていたそう。
稽古が終わると、師匠が、お茶漬けを用意してくれていて、それを頂いて、国立の舞台に。
海外の中で、一番すきなのは、イタリア。食事も、人も親切で陽気。
ダイビングの海は、魚よりも、地形に興味があるそう。
舞台を観るのが好きなので、サンディエゴに行った際にラスベガスで5日間滞在して、
舞台を毎夜7時から11時まで、10作品観たそう。昼間は、泳いだり、歩いたり。
打団のヨーロッパ公演でも、10作以上の舞台を観たとか。
歌舞伎の演出もやりたいし、他のプロデュースもやりたいし、脇役でも、舞台に出られる間は、舞台にも。
女役に徹して、最高の化粧道具を造った。東の木と、京の蒔絵の雅との合作。
凝り性なので、お稽古に凝り、道具に凝り、新しい事に常に挑戦していく、バイタリティーと、年齢を超越した若々しさ。しなやかで、のびのびしていて、究極の勉強好き。
美の探求は、限りなく深く、何処までも広く。
玉三郎の世界は、宇宙だ。「天かける宇宙。海の底、透明で輝く光の果て」
お腹を空かして、心は満ちて、家路に。 昼も夜も食べる暇なかった。