劇場空間

元気だして行きまっしょ。 機械も長く使っていると、動きが鈍くなります。油をさして、動きを良くしてあげないと。オリーブのように、豊かな実を育てられるブログにしたいです。

海老蔵ロンドン凱旋公演、義経千本桜

 

京都の南座で、九月3日から始まった、海老蔵のロンドン凱旋記念公演を、観に行ってきました。

 八月に、京都に行って、この公演があるのを知り、ネットで予約を入れたのですが、ネット受付が前日から始まっていて、忠信編、という忠信ばかりを扱った、公演は、全日全て完売していて、買えませんでした。

 

 忠信編は、昼夜公演から、忠信の出し物を集めたもので、昼と夜の公演を観れば、観られるのですが、どちらか、となると、昼の方が、玉三郎の出が多いので、昼の部に決め、3階の最前列で、空いている席がある日はないかと探しても、全て完売していました。この最前列は、とても見やすく、ここだけが二等のA席で、値段は高くなっています。

 でも、ラッキーなことに、最前列の角に2席、2等のB席があります。どの一つが空いていて、そのチケットをゲット。

 南座に着くと、舞妓さんが入り口にすらりと並んで、女将さん方を迎えて、挨拶しています。京都ならではの、花町総動員での、舞台公演。

 3階の私の席は、思った通り、良く見えるのですが、椅子の前に、乗り出さないと、舞台が見えないので、中腰で観ていると、腰が痛くなって来て、それが、2等のAとBとの違いでした。

 海老蔵さんは、パリ公演の時とは、大違いで、見事な役者ぶりを披露、お父さんの団十郎さん、そっくりの声色、語り口、動きを会得して、団十郎の肉体芸を超えて、海老蔵さんの身体の大きさと美しい顔立ちを武器に、現代的な感覚も伴って、観客を十二分に魅了させてくれます。

 出し物も、欧米の人達に受けるもので、華やかなものなので、初めて歌舞伎を観る人にも、わかりやすい。欧米の人達が、絶賛したのも納得の舞台です。

奥に見えているのが、真央さん

 幕間には、奥さんになった、真央さんが、団十郎さんの奥さんと並んで、廊下に立って、ご贔屓に挨拶されていました。

 背が高く、可愛い方で、カメラを向ける人も多いのですが、カメラは禁止、と周りの係員が、声をかけていました。

海老蔵さんは、真央さんと巡り会って、歌舞伎の継承者として、ものすごく精進されたのでしょう。

 以前は、仁左衛門と玉三郎のコンビは、当代一だったのですが、海老蔵さん玉三郎のコンビも、負けず劣らず、海老蔵さんの、若さと美しさは、世代の交代を感じさせます。

 

 途中から、坊主頭のお坊さんが、一階の、最も良い席、8番目の真ん中に入って来られました。3階席から、良く見えるので、さては、瀬戸内寂聴さんでは、ないかしら、と。 

 そうでした。瀬戸内寂聴さんが、お付きの婦人から、説明を受けながら、イヤホーンを入れ、プログラムを見ながら、舞台を観ておられる様子。

 二番目の出しものの、途中でした。人形浄瑠璃の出し物でも、超有名な「海渡屋 大物浦」で、海老蔵と玉三郎との舞台です。2人は、海渡屋の女将さんと旦那となって、子供と暮らしているのですが、実は、平家の中納言で、幼い帝と、そのお世話をするお局、

という二役で、 昼公演の3幕の中で、長時間の舞台です。

 三番目は、皆さん、誰もが、お目当ての、「道行初音藤」海老蔵と玉三郎が、忠信と靜御前に扮しての、踊りです。踊りの名手、玉三郎ですから、これを観たくて、待ってました、の観客。

 海老蔵さんは、そつなく旨く踊りを見せてくれましたが、玉三郎の踊りのように、力をを抜いた、ゆとりはなく、相務めあげ候、と言う感じがしました。

仁左衛門と玉三郎、との踊りぶりは、呼吸がぴったり、間もぴったり、自然にゆとりがあり、引き込まれるのですが、その辺はまだまだ。と言っても、仁左衛門と玉三郎の舞台は、独特のエロスが漂うのに、それがない、その差は大きいかもしれません。